【ワシントン=川合智之】オバマ米大統領は16日、ワシントン市内で、中国が関与するサイバー攻撃について習近平国家主席と議論する「最大の議題の一つになるだろう」と述べた。25日の米中首脳会談などの機会に習氏に懸念を直接伝える。
オバマ氏は中国政府が「産業スパイ、企業秘密や知的財産の盗難」に携わっていると批判した。その上で、こうした攻撃を止めるため「基本的な国際枠組みをつくるのが目標だ」と述べた。
米司法省は昨年5月、米企業の機密情報を盗んだとして中国人民解放軍当局者5人を起訴した。米連邦政府職員らの個人情報盗難事件でも中国のハッカーが関与したとみている。米政府は6月の米中戦略・経済対話でも問題を指摘したが、中国側は関与を認めなかった。
オバマ氏はサイバー攻撃のほか、中国による南シナ海での埋め立てと領有権の主張、人民元切り下げなどの元安誘導、弁護士弾圧などの人権問題も首脳会談の議題に取り上げる意向だ。