厚生労働省の地方厚生局・事務所のうち計9カ所で、診療報酬の不適切請求の疑いがある医療機関などに行う「個別指導」の実施率が50%を下回っていたことが17日までに、会計検査院の指摘で分かった。職員の人手不足などが原因で、検査院は「適切な指導が行える体制の整備が必要」と厚労省に要望した。
個別指導はレセプト(診療報酬明細書)に基づき、不適切請求の疑いがある医科や歯科の医療機関、薬局などに行う。検査院が2013年度まで2年間の個別指導の実施状況を調べたところ、東海北陸厚生局や東京、兵庫、岡山の各事務所など計9カ所で実施率が50%を下回っていた。不実施の理由は「人員不足」「他の業務が忙しかった」などが多かった。
保険点数が平均より高い医療機関を対象にした「集団的個別指導」も4カ所で未実施だった。厚労省は「検査院の指摘を踏まえ、厚生局への指導を徹底したい」としている。