【NQNニューヨーク=岩切清司】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅続伸した。終値は前日比20銭円高・ドル安の1ドル=119円70~80銭だった。世界的な株安に一服感が出たものの、投資家心理を改善する材料にも乏しく方向感は出にくかった。
米ダウ工業株30種平均は反発するなど、前日からのリスク資産を回避する「リスクオフ」の流れはひとまず和らいだ。
ただ、世界経済の先行きへの警戒感は根強く、米国債への買い需要が高まり長期金利は低下(価格は上昇)。日米の金利差縮小を見込む円買い・ドル売りが円相場を支えた。
訪米中の安倍晋三首相がニューヨーク市内で市場関係者を対象に講演した。内容に目新しさを欠くとして相場の反応は限られた。
30日にはイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長のあいさつを控え、発言内容を見極めたいとする投資家は多い。10月2日には9月の雇用統計の発表も控え、様子見ムードも高まっている。
この日の円の高値は119円53銭、安値は120円16銭だった。
円は対ユーロで小幅に続伸した。終値は前日比10銭円高・ユーロ安の1ユーロ=134円65~75銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで小幅に続伸した。終値は前日比0.0005ドル高い1ユーロ=1.1245~55ドルだった。手がかり材料難で動意に乏しい展開が続いた。
この日のユーロの高値は1.1268ドル、安値は1.1194ドルだった。