東芝は30日、臨時株主総会を開催した。会社が提案した定款の変更と取締役11人の選任は可決、情報開示などを求める株主提案14議案はすべて否決した。所要時間は3時間50分で、6月25日の定時総会(3時間16分)を超え過去最長となった。出席人数は1924人(6月の定時総会は3178人)で、株主による質問は23人から合計43回に及んだ。
取締役11人の選任により、不適切会計問題に揺れた東芝の新体制がスタートする。うち社外取締役は過半数の6人で、三菱ケミカルホールディングス(4188)の小林喜光会長らを迎えガバナンス体制を強化する。
ただ株主からの質問が相次ぎ過去最長の総会となったほか、終了後も「(東芝の回答は)建前ばかりだった」(60歳代の男性)と厳しい声が聞かれた。株主からの不信感は依然として強く、夫とともに初めて株主総会に参加したという70歳代の女性は「進行など全体的に心遣いが足りないように感じた」と話していた。
質疑応答では、会場を幕張メッセ(千葉市)としたことに不満を述べる株主も見られた。これまで定時総会を開催してきた国技館(東京・墨田)でなかった理由は「大相撲秋場所があり、片付けが間に合わないため」(室町正志社長)という。〔日経QUICKニュース(NQN)〕