小渕優子元経済産業相の関連政治団体を巡る政治資金規正法違反事件で、小渕氏の依頼により原因究明と再発防止策の検討をしてきた第三者委員会(委員長・佐々木善三弁護士)が19日、東京都内で記者会見し「小渕氏に監督責任があり、責任は軽微とは言えない」とする調査結果報告書を公表した。
報告書は「政治団体の元秘書らは収支報告書の提出前に、小渕氏に表紙部分などを見せるのみだった」とずさんな管理態勢を指摘。小渕氏について法的責任はないとする一方、「不正行為が元秘書らの判断や指示で行われており、小渕氏にも監督責任があり、その責任は軽微とは言えない」と批判した。小渕氏は会見に同席しなかった。
元秘書らによる不正な会計操作は小渕氏の資金管理団体「未来産業研究会」(東京都)などで続けられていたが、各団体の会計責任者は多くが名目上の存在で不正に気づけなかった。報告書は「会計責任者を第三者の専門家から選任し直し、コンプライアンスの徹底を図るべきだ」と提言した。
この事件で東京地裁は9日、政治資金規正法違反(収支報告書の虚偽記入)の罪に問われた元秘書の前群馬県中之条町長、折田謙一郎被告(67)に禁錮2年、執行猶予3年の判決を言い渡した。資金管理団体の元会計責任者も禁錮1年、執行猶予3年とした。