DeNA(ディーエヌエー)は13日、医療などの記事をまとめた「キュレーションサイト」に不適切な記事を掲載した問題を調べた同社の第三者委員会(委員長・名取勝也弁護士)がまとめた報告書を公表した。医療関係の法律に違反した可能性がある記事がのべ10本、画像に関しては74万個超に著作権法上の問題があったとする内容で、同社は創業者の南場智子会長が代表取締役に復帰し、社内管理体制を強化すると発表した。
責任を取り、守安功最高経営責任者(CEO)は月額報酬の50%を6カ月間返上する。サイト事業を担った、執行役員で子会社代表の村田マリ氏、別の子会社代表の中川綾太郎氏は、それぞれの役職から退く。
第三者委が医療サイト「WELQ(ウェルク)」の記事のうち、外部から問題視された19本の記事を調べたところ、法令違反の可能性がある記事は、医薬品医療機器等法違反が8本、医療法違反、健康増進法違反が各1本あった。全10サイトから記事を抽出調査したところ、1・9~5・6%が文章のコピーなどで他者の著作権を侵害していた可能性があった。画像に関しては、74万個超で複製権侵害の可能性があった。
問題の背景について報告書は、医療に関する記事の広告掲載が不適切だったほか、医師の間で見解に相違がある内容を安易に掲載したと指摘。他社の買収でサイト事業に参入する際、法令違反の可能性などのチェックが不十分だったとした。
DeNAは13日夕方に記者会見で内容や対応策を説明する。