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大阪女児焼死、20年ぶり釈放 母「当たり前の世界に戻れた」

大阪市東住吉区で1995年7月、女児(当時11)が死亡した火災で、殺人罪などで無期懲役が確定した母親の青木恵子さん(51)と当時内縁の夫だった朴龍晧さん(49)が26日、再審開始などを認めた大阪高裁の決定を受けて刑務所から釈放された。「当たり前の世界に戻れた」「景色が輝いて見える」と、2人は20年ぶりに手にした解放感を味わっていた。


「20年目にして当たり前の世界に戻ってくることができた」。午後2時すぎ、弁護人と共に車で和歌山刑務所を出た青木さんは報道陣の前で涙をぬぐい、「青空のどこかから『ママ良かったね』って言ってる声が聞こえる」と声を震わせた。


その後、大阪市内で記者会見を開き、「息子と両親、娘にママは無実と証明するまでは負けられないと思っていた」と服役中の心境を明かした。会見会場へ向かう途中、自宅のあった火災現場に立ち寄って娘のために花を供え、「助けられなくてごめんね」と語りかけたという。


27日未明には同市内で、仕事を終えた長男(29)と再会。名を呼びながら抱きしめた長男から「お帰り」と声をかけられ、「良かった。本当に良かった」と涙を流した。


■朴さん「自由の身 感無量」


大分刑務所では、スーツ姿の朴さんが弁護人とともに門の外に現れた。「自由の身になり感無量。まだ現実感がない。夢のようで景色が輝いて見える」。緊張した面持ちで「獄中の闘いで張り詰めた心を解きほぐすには時間が必要だ」と話し、体の前で重ねた両手を握りしめた。


26日夜、大阪市内に到着した朴さんは家族と対面。母親(74)が「おかえり。ようがんばった」と声をかけると、朴さんは「今まで苦労かけてごめん」と目に涙を浮かべて抱き合った。


その後の記者会見では「大阪に戻り、町並みを見て、空気を吸って、やっと解放されたという気になった」と幾分表情が和らいだようだった。


当時の捜査について「嘘の自白をしたことが人生最大の後悔。青木さんにも迷惑をかけて申し訳ない」と声を落とし、「裁判が続いていくので心を整えて進んでいきたい」と力を込めた。


23日の大阪高裁決定は青木さんと朴さんの再審開始と刑の執行停止を認めた。刑の執行停止に対して検察側は即日異議申し立てを行ったが、大阪高裁の別の部が26日、異議申し立てを棄却し、検察側は釈放手続きをとった。


再審開始の決定について、検察側は最高裁に特別抗告するかどうかを期限の28日までに判断する。断念した場合には再審開始が確定する。


お断り 「青木恵子元被告」「朴龍晧元被告」と表記していましたが、釈放に伴い「青木恵子さん」「朴龍晧さん」と改めます。


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