NTTドコモ(9437)は30日、2016年3月期の営業利益(米国会計基準)が前期比11%増の7100億円になる見通しだと発表した。従来予想の6%増の6800億円から上方修正した。動画配信などスマートフォン向けサービスを提供する「スマートライフ」事業で200億円の上振れを見込むほか、コスト削減が順調に進捗していることで100億円の利益の上積み要因となる。純利益予想も19%増の4900億円に引き上げた。その一方で、売上高の見通しは2%増の4兆4900億円に引き下げた。
加藤薫社長は記者会見で、新たな通期見通しについて「絶対達成する。これが下限である」と語った。17年度の営業利益を13年度水準(8191億円)以上にするとの中期目標についても、目標達成に向けて順調に業績は回復していると説明した。内部留保は新分野への投資や株主還元などに活用していく姿勢を示した。
総務省が検討している携帯料金の引き下げをめぐる議論について、加藤社長は「顧客からわかりにくいという声が聞かれる。その辺の是正も含めて総合的に検討していきたい」と述べた。
同時に発表した4~9月期の連結決算は、営業利益が前年同期比16%増の4625億円だった。アナリスト予想の平均であるQUICKコンセンサス(26日時点、6社)の4452億円を上回った。7~9月期のARPU(1契約あたりの月額平均収入)は4190円となり、4~6月期の4010円から回復した。売上高は2%増の2兆2149億円だった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕