【NQNニューヨーク=古江敦子】12日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、祝日前の10日終値と比べ55銭円高・ドル安の1ドル=122円55~65銭で取引を終えた。米株式相場の下落で投資家心理が弱気に傾き、低金利通貨である円が買われた。
ニューヨーク連銀のダドリー総裁が講演し、先行きの金融政策について「正常化を始める条件が近く満たされそうだ」と述べた一方で、「不透明感が続いており将来、どんな行動が好ましいのかをいま語ることはできない」とした。
外為市場では講演について「想定ほど利上げや米景気に前向きな内容ではなかった」(フォーリン・エクスチェンジ・アナリティクスのデービッド・ギルモア氏)との受け止めから、ドル買いに傾けていた持ち高をいったん中立方向に戻すドル売りが出た。
円の高値は122円56銭、安値は123円03銭だった。
円は対ユーロで反落し、10日終値に比べ45銭円安・ユーロ高の1ユーロ=132円50~60銭で取引を終えた。ドルに対してユーロが大幅に上昇し、円に対してもユーロ買いが優勢になった。ロンドン市場で一時131円49銭までユーロ売りが進んでいたのを受け、持ち高調整が目的の円売り・ユーロ買いが入りやすかった。
ユーロは対ドルで反発。同0.0090ドル高い1ユーロ=1.0810~20ドルで終えた。欧米株式相場の下落で投資家心理が悪化し、ドルに対して金利水準が低いユーロが買われた。
欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が追加の金融緩和を示唆したと伝わったが、相場の反応は限られた。
ユーロの高値は1.0830ドル、安値は1.0721ドルだった。