【NQNニューヨーク=岩切清司】16日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続落した。終値は前週末比55銭円安・ドル高の1ドル=123円15~25銭だった。米株式相場の反発や日本の景気の先行き不透明感が意識され円売り・ドル買いが優勢となった。
前週末にフランス・パリで起きた同時テロの影響が警戒された中、週明けの米株式には買いが優勢となった。ダウ工業株30種平均の上げ幅は237ドルに達し、最近までの下落基調に歯止めがかかった。投資家心理が改善すると外国為替市場ではドルが主要通貨に対して買われた。
日本の7~9月期の国内総生産(GDP)が物価変動を差し引いた実質の年率換算で2四半期連続のマイナスとなった。米市場では日本の景気の弱さが意識され、日米の金融政策の方向性の違いにも焦点があたると円売り・ドル買いを加速した。
この日の円の安値は123円28銭、高値は122円92銭だった。
円は対ユーロで続伸した。終値は前週末比35銭円高・ユーロ安の1ユーロ=131円55~65銭で取引を終えた。ユーロが対ドルで下落した流れから円買い・ユーロ売りが優勢となった。
ユーロは対ドルで続落した。終値は前週末比0.0095ドル安い1ユーロ=1.0680~90ドルだった。一時は10日の安値に並ぶ1.0674ドルまで下落した。市場では「パリの同時テロを受け欧州中央銀行(ECB)の追加緩和の思惑が強まった」(為替トレーダー)との指摘があった。
この日のユーロの高値は1.0742ドルだった。