九州農政局は17日、2015年産の主食用米の生産量が九州全県で国が定めた目標数量より10%減の80万5800トンになるとの見通しを明らかにした。熊本市で同日、初めて開いた九州7県の支局長会議で公表した。
同局によると九州の主な県の主食米の生産量(予想収穫量)は福岡(17万2300トン)、熊本(17万1500トン)、佐賀(12万8000トン)など。7県の合計で80万5800トンになる見込み。
昨年11月末に国が定めた九州全県の主食米の生産量目標(89万5410トン)に比べて10%減となる。一方、九州全県での飼料用米の作付面積は前年産比1.5倍に拡大。飼料用稲も同1.21倍増えた。
九州農政局の井上明局長は「九州全県をはじめ36道府県で作付面積が生産目標数量を下回り、目標の設定を始めた04年産以降初めて作付け超過が解消する」と語った。
主食米の減産で15年産の新米価格は3年ぶりに上昇しているが、少子高齢化や高値を敬遠した消費の落ち込みを懸念する声は根強い。井上局長は「コメの消費量は毎年8万トン減っている。来年産以降も飼料米などへの転作を奨励する必要がある」と強調した。