企業説明会や選考面接の開始時期が従来より遅くなった今年の就職活動で、大学4年生の57%が「負担が大きくなった」と感じていることが20日、内閣府が実施した意識調査で分かった。全国の大学でつくる「就職問題懇談会」のアンケートでは、学生の3割が3月から面接を受け始めたと回答。文部科学省は「就活期間が実質的に長引いたと受け止めざるを得ない」としている。
内閣府の調査は10~11月、インターネットで実施し、大学4年生約1600人が回答した。
日程変更に伴う課題を複数回答(最大で3つ)で尋ねた結果、「就活期間が実質的に長引き、負担が大きくなった」が57.0%で最も多かった。「卒論の時間が十分に確保できなかった」が46.8%で続き、「4年次の授業がおろそかになった」が35.9%だった。
良い影響があったことは「特にない」が45.4%で他の回答を大きく引き離した。学生が日程変更を肯定的に見ていないことがうかがえる。日程変更の大きな目的だった「3年次の学修時間をより多く確保できた」は19.7%にとどまった。
就職問題懇談会の調査は10~11月、全国の781大学と学生約6千人に実施した。
最初の面接を3年生の3月までに受けた学生は33%で、面接選考が解禁される前の7月時点では87%が面接を経験していた。29%の学生は5月までに最初の内々定を受けていた。
文科省の担当者は「就活が長期化したと受け止めざるを得ない。売り手市場の中、人材獲得競争に走る企業にルールを徹底できなかった」と話している。
同懇談会は授業への悪影響を懸念して6月解禁には慎重な姿勢だが、調査結果を踏まえ、経団連側と引き続き協議する方針だ。