会見を終え、足早に退席する東芝の綱川智社長=14日午後5時28分、東京都港区、越田省吾撮影
東芝が、決算発表の再延期と海外原発事業からの撤退方針を表明した。再延期は不正会計問題が発覚した2015年以来で、東芝への不信は募る一方だ。米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の株式売却で追加損失の回避を目指すが、上場廃止や巨額損失のリスクをいくつも抱え、再建への道筋は見えていない。
特集:東芝の巨額損失問題
「WHの経営者による不適切な圧力があったと認定されたので、その人が関与した部分をさかのぼってみることになった」
監査法人出身で東芝の社外取締役を務める佐藤良二・監査委員会委員長は14日の記者会見で再延期の理由をそう説明した。東芝などによると、この1カ月の調査で「圧力」と認定されたのは、米国で進める原発4基の建設工事費用の増加分61億ドル(約6900億円)について、WHの経営幹部が「修正」を部下に強く迫ったこと。この部下は要求に応じておらず、決算に影響はないと東芝はみているが、この幹部にWHへの経営関与を控えるように指示する措置をとったという。
ただ、この調査は昨年10~1…