熊本大学の西中村隆一教授らは、人間のiPS細胞から作った腎臓の組織をマウスの腎臓に移植し、マウスの血管とつないで成熟させることに成功した。腎臓病の原因解明や新薬の開発に役立つとみられる。
研究チームは2年前、iPS細胞を使って腎臓で血液をろ過する「糸球体」と、栄養分や水分を再吸収する「尿細管」をつくることに成功していたが、生体内で機能するかどうかはわかっていなかった。
直径約1ミリの球状の腎臓組織をつくってマウスに移植。10日後には移植した腎臓組織の糸球体にマウスの血管が入り込み、20日後にはろ過されて生じたとみられる物質も確認されたという。
西中村教授は「尿の排出路を作ることが今後の課題」と話している。