【カイロ=共同】国家分裂状態のリビアの和平協議をめぐり、対立するリベラル勢力とイスラム勢力の代表は6日、隣国チュニジアで記者会見を開き、挙国一致政府を樹立することで基本合意したと発表した。分裂解消の政治解決に道筋を付けた形だが、合意には双方の議会承認が必要で、実現には曲折が予想される。
中東の衛星テレビ、アルアラビーヤによると、双方は2週間以内に挙国一致政府樹立と、首相選出を補佐するための10人で構成される委員会を設置するほか、2年以内の議会選実施などで合意した。リベラル勢力の代表は会見で「歴史的な瞬間」と語った。
リビアでは2011年のカダフィ政権崩壊後も混乱が続き、昨年8月にはイスラム勢力が首都トリポリを掌握、政府を樹立した。
国際社会が正統な暫定政府と見なすリベラル勢力は北東部に撤退、国家が分裂し、内戦状態に陥っている。国連主導の和平協議も行われていたが頓挫していた。
混乱の中で大量の武器が国外に流出したり、過激派組織「イスラム国」が拠点を築いたり、テロ拡散の土壌が広がっているほか、地中海を渡る難民を乗せた密航船の出港地の一つとなり、政権安定が急務となっている。