環境省東北地方環境事務所は9日までに、世界自然遺産・白神山地(青森、秋田両県)のバッファゾーン(緩衝地域)で初めて、定点カメラが雄のニホンジカ1頭を撮影したと発表した。白神山地周辺では、これまで生息しないとされてきたシカの目撃が近年相次いでおり、貴重なブナの原生林への食害が懸念されている。
バッファゾーンは、ほとんど人の手が加わっていない白神山地のコアゾーン(核心地域)を保護するため設定された区域。
同事務所によると、10月13日午後、バッファゾーンとなっている青森県西目屋村の「暗門の滝」上流付近に設置したセンサーカメラが、シカ1頭を撮影した。
白神山地は広大なブナの原生林が評価され、1993年に世界遺産に登録。ニホンジカは繁殖力が高く、全国各地で頭数増に伴う食害が報告されている。
白神山地周辺では今年4月以降、青森側で17頭、秋田側で11頭が確認されている。〔共同〕