西蔵(チベット)自治区科学技術庁のデータによると、第2回青蔵高原(チベット高原)総合科学調査が2017年8月に全面的に始動した後、多くの科学研究者が青蔵高原の水、生態、人類活動などの環境問題に関する調査・研究を全面的に掘り下げ、地球の「第3極」の保護に重要なデータと科学技術サポートを提供している。新華社が伝えた。
第2回青蔵高原総合科学調査「河湖源」氷河・環境変化調査隊がチベット阿里地区日土県東汝郷阿汝村で記念撮影を行った(合成写真。17年9月13日撮影)。(撮影・新華社劉東君)
科学調査活動は現在まで、一連の成果を上げている。
初めて墨脱でイワタバコ科の植物を発見。納木錯(ナムツォ)地区で枯れた香柏と残された一部の葉柄を発見し、中国の現時点で最多年数の灌木年輪幅年表(1479−2015年、総年数537年)を再構築した。
初めて青蔵高原の75の大型湖沼・氷の生物気候と蒸発量の結果を比較的正確に導き出した。青蔵高原の湖沼から毎年蒸発する水資源量はおよそ517億トン。
納木錯の水深94.5メートルの試料採取ポイントで、同一ポイントにおける153.44メートルの連続掘削に成功し、採取率96%の高品質コアを取得した。中国の湖沼コア掘削の新記録を更新した。
第2回青蔵高原科学調査納木錯湖沼科学調査チームは構築した水上プラットフォームを利用し、深さ100メートルの湖沼コアを掘削し、納木錯地区の10−20万年にわたる古代気候の変化プロセス及びそのメカニズムを分析する予定。写真は2019年7月6日、科学者が船を使い浮動プラットフォームを指定エリアに運び、錨を下ろす様子。(撮影・新華社記者李◆)(◆は品の口が金)
また、 「アジアの給水塔」の氷河、湖沼、主要河川の山からの流出量が9兆立方メートル以上と大まかに見積もり、中国の水資源保護戦略に重要な科学のサポートを提供した。
さらに、初めて青蔵高原の標高7000メートルの大気成分データを取得した。初めて青蔵高原の隆起前の古第三紀における生態系の全貌を明らかにし、初めてSchizothoracidsとTriplophysaが標高5200メートル以上にも生息することを明らかにした。初めて墨脱でシロスソビキアゲハの分布を確認した。雅江氷崩壊災害モニタリング早期警戒プラットフォームをほぼ構築した。
中国科学院青蔵高原研究所納木錯マルチゾーン総合観測ステーションの観測キャンプで撮影されたエアロスタット「極目1号」(2019年5月30日撮影)。(撮影・新華社記者田金文)
これらの成果は「アジアの給水塔」の変化・影響及び対応への認識を深めるだけでなく、国のエコ文明建設と地域防災・減災にもテクノロジーのサポートを提供する。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年1月13日