三菱ケミカルホールディングス(4188)の越智仁社長は9日の記者会見で、中国経済の減速が同日開示した2020年度を最終年度とする新中期経営計画に及ぼす影響について「(素材の)MMA(アクリル樹脂原料)などである程度織り込んでいる」とした。半面、アジア地域での成長を見込むポリマーやフィルムなど機能商品は「中国景気が減速してもそれなりに成長していき、あまり大きな影響はない」との認識を示した。
新中期経営計画には今期43%を見込んでいる海外売上高比率を20年度に50%まで引き上げることを盛り込んだ。売上高営業利益率は2%を切っていることを挙げ「ここをもっと上げないといけない」と指摘。具体策として「海外のマネジメント体制が重要」と話した。
原油価格の下落による影響については、子会社の三菱化学の石塚博昭社長は原料であるナフサ価格の下落で「ある程度のマイナスインパクト」があるとした。同社は石化事業などで合理化や構造改革を進めている。短期的には価格下落の影響が出てくる可能性はあるが、新中期経営計画の期間全体では「方針を変更しない」とした。〔日経QUICKニュース(NQN)〕