不動産経済研究所(東京・新宿)が14日発表したマンション市場動向調査によると、11月の首都圏の新規発売戸数は前年同月比4.8%増の3496戸と、3カ月ぶりに増えた。先送りされていた大型マンションの第1期発売があったためで、100戸以上の大型のマンション発売は昨年の4物件から10物件に増えた。
1戸当たり平均価格は前年同月比21.1%上昇の6328万円で、1991年6月(6946万円)以来、24年半ぶりの高水準となった。港区の「パークコート赤坂檜町ザ タワー」の平均価格が2億6000万円を超え、発売戸数も152戸と多かったことが押し上げ要因となった。施工費の上昇も影響した。
実際に売れた戸数の割合を示す月間契約率は82.1%と、前年同月から3.7ポイント上昇した。好不調の目安となる70%を3カ月ぶりに上回った。
もっとも、発売物件は昨年の175物件から140物件に減った。価格上昇が響いているほか、10月中旬に横浜市のマンションが傾いている問題が発覚し、消費者心理を冷やしている可能性もあるという。
12月の発売戸数は7000戸前後を見込んでおり、前年同月(9389戸)を下回る見通し。2015年1~11月の発売戸数の累計は3万4260戸で、年間では消費増税前の駆け込み需要の反動減が色濃く出た昨年1年間の累計4万4913戸を下回る公算が大きい。
近畿圏の11月の発売戸数は14.1%減の1696戸と、5カ月連続で減少した。月間契約率は70.2%だった。3カ月ぶりに70%を上回ったものの、前年同月からは10.7%低下した。12月の発売戸数は1500戸前後の見通し。〔日経QUICKニュース(NQN)〕