損保ジャパン日本興亜は10日、ネット上の書き込みなどをきっかけに企業への批判が急激に広がる「ネット炎上」が起きたとき、対応するための人件費などを最大1千万円まで補償する企業向けの保険を売り出した、と発表した。国内で初めてという。
保険に入った企業は、ネット上で炎上につながりそうな書き込みを見つけた時点で、保険の適用を申請できる。損保ジャパンがネット炎上と判断すれば、専門家らに対策を相談するための費用や、対応で残業する社員の超過勤務手当などが補償され、保険料は年50万~100万円程度。6日から販売を開始しており、すでに数十社から問い合わせがあるという。
ネット炎上は、飲食店などの従業員によるSNSへの書き込みが原因になる例が多い。過去には有名人が来店したと書き込んだり、不衛生な行為の写真を載せたりしたことが炎上を招いた。個人の書き込みでも企業全体のイメージ悪化や売り上げの低下につながりかねない。危機管理コンサルティング会社のエルテス(東京)によると、2015年のネット炎上の件数は1002件。10年(102件)から約10倍に増えた。(奥田貫)