政府は理化学研究所など3つの研究機関を「特定国立研究開発法人(仮称)」に指定する新法を年明けの通常国会に提出する。研究者に高額の給与を支払うことが可能になり、優れた人材を確保することで欧米や中国との国際競争に勝てる研究機関を目指す。
理研のSTAP細胞を巡る研究不正問題で凍結されていたが、島尻安伊子科学技術相は18日の閣議後の記者会見で「4月に松本紘・前京都大学長が理事長に就任し、新体制が整った」と述べ、指定への条件が整ったとの見方を示した。
国の研究開発法人は研究者の給与を国の職員以上に設定することができないなどの制約がある。新法人に指定されると、理事長の裁量がより広く認められ、優れた研究者を年俸1億円で雇用することも可能になる。
政府の総合科学技術・イノベーション会議(議長・安倍晋三首相)は昨年3月、理研と産業技術総合研究所を新法人に選定した。政府は通常国会での新法の提出を予定していたが、STAP細胞問題で理研の研究管理体制や人事採用のあり方が問われ、凍結していた。
同会議は18日、新法人として物質・材料研究機構を新たに選定した。政府は年明けに新法を提出し、2016年度中の施行を目指す。