来年3月26日に開業する北海道新幹線のダイヤが18日、発表されたのを受け、青森県の三村申吾知事は「県が推進する津軽海峡交流圏の形成に寄与する」と歓迎のコメントを出した。新青森―新函館北斗は最短1時間1分。青森県は県全域と函館を含む道南地方を合わせた人口約180万人の地域を一体の経済圏ととらえ、観光・ビジネス両面で交流拡大を目指す。
東北唯一の新駅「奥津軽いまべつ駅」(青森県今別町)に停車するのは上下各7本となった。今別町は上下とも2桁の停車を求めていたが、全13往復の過半数の停車を確保し、阿部義治町長は「可能な限りの配慮をしていただいた」と理解を示した。
同町は人口約3千人で新幹線駅がある全国最小の自治体。JR在来線で町から青森市の高校に通学するのが難しく、中学を卒業すると多くが進学のため町を離れていた。奥津軽いまべつ―新青森は新幹線で約15分。十分に通学が可能で、町は高校生の新幹線通学定期代の一部を補助し、若者の定着を図る。
仙台―新函館北斗は最短2時間30分となる。宮城県観光連盟は「函館からJRで修学旅行に来るのは青森、岩手までだったが、北海道新幹線が開業すれば、修学旅行を誘致しやすくなる」と期待する。
宮城県によると、県外からの教育旅行の2014年の宿泊生徒数は約5万8千人で、東日本大震災前の10年の約6万1千人を回復していない。県観光課は「新幹線の効果で震災前水準を回復し、さらなる増加につなげたい」と意気込んでいる。