6日午前の東京外国為替市場で円相場は大幅に反発した。12時時点では1ドル=118円47~50銭と前日17時時点に比べ95銭の円高・ドル安で推移している。一時118円35銭近辺と昨年10月15日以来、約3カ月ぶりの高値を付けた。10時15分ごろ、中国人民銀行(中央銀行)が6日の人民元の対ドル基準値を約4年9カ月ぶりの元安水準に設定したと伝わった。前日に中国人民銀が元買い・ドル売りの為替介入を実施したとの観測が出ていただけに、資金流出が止まらないほど中国経済が悪いとの連想が働き、リスクを避ける目的の円買いが膨らんだ。
日経平均株価が200円超安で前場を終えたことも、低リスク通貨の円の買いを誘った。北朝鮮で起きた地震について、菅義偉官房長官が「核実験の可能性がある」と述べたと伝わり、投資家心理を冷やした面があるようだ。中国で発表された昨年12月の財新・非製造業購買担当者景気指数(PMI)が過去2番目の低さになったことも、リスク回避の円買いにつながった。
9~12時の円の安値は1ドル=119円15銭近辺で、値幅は80銭程度だった。10時前の中値決済については「ドルの過不足は目立たなかった」(国内銀行)との指摘があった。
円は対ユーロでは大幅に続伸した。12時時点では1ユーロ=127円52~54銭と、同1円54銭の円高・ユーロ安で推移している。一時は127円47銭近辺と昨年4月21日以来、約8カ月半ぶりの高値を付けた。市場のリスク回避ムードは強く、対ドルでの円買いが対ユーロにも波及した。欧州中央銀行(ECB)の追加金融緩和観測も引き続きユーロの重荷になっている。
ユーロは対ドルで続落した。12時時点では1ユーロ=1.0762~65ドル近辺と同0.0045ドルのユーロ安・ドル高で推移している。昨年12月のユーロ圏インフレ率が低水準だったためECBの追加緩和観測が強まり、ユーロ売りにつながった。〔日経QUICKニュース(NQN)〕