北朝鮮が6日、同国にとって4回目の核実験となる「水爆実験」の成功を表明したことに対し、主要国からは強く非難する声明が相次いだ。
北朝鮮との関係が深く同国に核放棄を求める6カ国協議にも加わるロシアの外務省は同日、実験が事実なら「国際法や国連安全保障理事会決議への重大な違反だ」と指摘した。朝鮮半島での軍事的な対立が激しくなりかねないと指摘し、関係各国に「最大限の自制」を促した。早期の6カ国協議再開を呼びかけ、核問題の外交的な解決を目指す立場を鮮明にした。
欧州からはハモンド英外相がツイッターを通じ「報道が事実ならば、国連安保理の決定に対する重大な違反で、挑発だ。強く非難する」と表明。別に発表した声明では「北朝鮮が地域や国際社会の大きな脅威であることを示す」と指摘した。フランス大統領府は声明で「国際社会の強い対応を求める」と訴えた。
欧州連合(EU)のモゲリーニ外交安全保障上級代表も声明で「事実なら核兵器の製造や実験を禁止した安保理決議の深刻な違反だ」と非難。北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は声明で核兵器と既存の核弾道ミサイル計画を「完全に、不可逆的に、かつ検証可能な形で速やかに廃棄する必要がある」と求めた。
オーストラリアのビショップ外相は声明で北朝鮮が「ならず者国家で、国際平和や安全への継続的な脅威であることが確認された」と強く非難。北朝鮮に豪州の懸念を直接伝えるとも表明した。
北朝鮮に対する懸念はアジアにも広がった。インド外務省のビカス・スワループ報道官は非難声明の中で「北朝鮮が再び(ウラン濃縮を停止するという)国際公約を破ったことを強く懸念する」と強調した。インドは核兵器保有国だが1998年を最後に核実験を凍結している。
インドネシア外務省は声明で北朝鮮への憂慮を示し「対話を通じて平和と安定を促すよう求める」と要請した。シンガポール外務省も「北朝鮮に同様の行動を停止するよう強く求める」との声明を発表。「在シンガポール(北朝鮮)大使を通してこの立場を北朝鮮に伝える」とした。
タイのテレビ局など地元メディアは北朝鮮が核実験に踏み切った可能性が浮上した6日午前から、この実験に関するニュースを競って報じた。シンガポールのテレビ局も北朝鮮の核実験を速報。地元紙ストレーツ・タイムズ(電子版)は通信社による第一報と解説を掲載し、関心の高さをうかがわせた。マレーシアの国営ベルナマ通信は核実験に関する北朝鮮の声明に加え、中国や韓国の反応も伝えた。