日本鉄鋼連盟が22日発表した2015年の国内粗鋼生産量は、前年比5.0%減の1億515万トンだった。減少したのは3年ぶり。年間を通して自動車販売や公共土木工事をはじめとする建設需要が落ち込んだことが響いた。年初からの在庫調整も完了することができなかった。
鋼材別では自動車や家電などに幅広く使う主力の広幅帯鋼が2.3%減の4413万トン、自動車車体向けなどが用途の亜鉛めっき鋼板9.6%減の1090万トンだった。ともに自動車販売の減少による影響が大きかった。
併せて発表した15年12月の粗鋼生産量は、前年同月比で4.5%減の859万トンだった。前年割れは16カ月連続で過去4番目の長さに並んだ。18カ月連続で減少したオイルショック時の1974年9月~76年2月に次ぐ長期低迷だという。
鉄連は今後の見通しについて「在庫調整も続いており、少なくとも15年度いっぱいは厳しい状況が続く」としている。〔日経QUICKニュース(NQN)〕