【ニューヨーク=中西豊紀】米キャタピラーが28日に発表した2015年12月期決算は、純利益が前年比43%の21億200万ドル(約2490億円)だった。原油をはじめとする資源価格の下落に加えて中国景気の減速が響き、建機の販売が大幅に落ち込んだ。売上高は470億1100万ドルと15%減少した。16年通期も減収を見込む。
あわせて発表した15年10~12月期決算で、最終損益は8700万ドルの赤字(前年同期は7億5700万ドルの黒字)、売上高は前年同期比23%減の110億3千万ドルだった。資源部門が29%の減収。原油安で北米のシェールガス開発が滞ったことなどが響いた。建設用機械部門は18%の減収だった。北米からアジア太平洋地域まで世界全域で販売が落ちた。ドル高のほか中国景気の変調が影響したという。
オーバーヘルマン最高経営責任者(CEO)は電話会見で「15年と同様に16年も厳しい年になる」と指摘。通期での売上高は400億ドルから440億ドルと15年を下回る水準になるとした。資源部門は10~15%、建機部門は5~10%の減収を見込んでいる。
キャタピラーは15年1月時点で15年12月期通期の売上高を500億ドルと見込んでいた。同年秋には480億ドルに下方修正したが、実績はさらにその額を10億ドル下回っている。資源安と新興国景気の低迷は収まっておらず、同社の業績の足を引き続き引っ張りそうだ。