福岡市教育委員会は、市立小中学校の運動会で行う「組み体操」で、人間ピラミッドとタワーを禁止すると4月28日付で全市立学校に通知した。スポーツ庁は3月、組み体操での安全確保を求める通知を全国に出していた。福岡市教委は当初、一律禁止の予定はないとしていたが、市立小中学校の半数以上でピラミッドの実施を予定していることがわかり、「全校が確実に安全に実施するのは難しい」と判断した。
市教委によると、組み体操の中でも、2人組の倒立や肩車などは認めるが、人の上に人が重なっていく人間ピラミッドとタワーは禁止する。組み体操で他の技をする場合も、人間ピラミッドやタワーを連想させるとして「組み体操」という言葉は使わず、「集団演技」と呼ぶように求めた。
市教委によると、4月下旬に各校に尋ねたところ、市立小中学校212校のうち166校が運動会で組み体操を予定。ピラミッドは139校、タワーは104校(重複あり)が実施予定だった。これを受けて4月26日に緊急の検討会を開催。「全校が確実に安全に実施するのは難しい」として、ピラミッドとタワーを全面禁止にした。
市立学校の多くは5月下旬に運動会がある。安全対策を練った上でタワーの練習を始めていた小学校の校長は「もう少し早く言ってほしかった」と話した。(渡辺純子)