総務省が29日発表した2015年の住民基本台帳人口移動報告によると、近畿は大阪府が2年ぶりに転入超過になったが、他の5府県は転出超過だった。転入超過数が多い全国上位20市町村に大阪、吹田、豊中と大阪府からは3市が入った。大阪市などで高層マンション建設が続き、近畿5府県から住民が流入してきたとみられる。
大阪府は11年から3年連続して転入超過となり、14年に転出超過になったが、15年に再び転入超過に戻った。大阪市は01年以降、15年連続で転入超過になっている。不動産経済研究所大阪事務所は「梅田地区を中心に大阪市内の高層マンションの建設が増えており、影響があったのではないか」と話している。
兵庫県は北海道に次ぎ、全国で2番目に転出超過数が多かった。転出超過は4年連続。転入者は14年に比べて増えたが、転出者がそれ以上に増えた形だ。県統計課は「首都圏と大阪府への学校進学者や転勤者の増加に歯止めがかからない」という。
滋賀県の転出超過数は14年より1000人以上増えた。県企画調整課は「立命館大学経営学部などが15年春に県内の草津市から大阪府茨木市の新キャンパスに移転した影響があるかもしれない」と推測している。
京都府は2年連続で転出超過数が減り、15年は14年のほぼ4分の1になった。府企画統計課は「中心部でマンション建設が相次ぐ京都市、宅地開発が進むけいはんな学研都市に流入しているようだ」とみている。
奈良県の転出超過数は4年連続で増えた。和歌山県の転出超過数は14年に比べ1000人以上増え、4000人に迫った。