朝日新聞社は14日、企業などの広告手法として急拡大しているオウンドメディアなどを手がけるサムライト(池戸聡代表取締役)の全株式を取得し、グループ会社化すると発表した。
オウンドメディアは、企業などが自ら運営するウェブメディアのことで、自社商品やサービスの説明だけでなく、関連する話題やニュースなどを掲載して消費者の関心を集める広告手法。朝日新聞社グループとしてこの分野に本格的に進出する。
サムライトは、オウンドメディアの企画やコンテンツの作成、運用などを一括して請け負うマーケティング企業で、急成長を続けている。またネイティブ広告と呼ばれる、デザインや見出しが記事形式の広告を既存サイトなどに入れる手法にも強みがある。
朝日新聞社はサムライトと共同で、新聞やデジタルの既存広告商品と併せ、これらの新たな広告手法を広告主に提案し、消費者に有益な情報を伝えることにも貢献していく。また、コンテンツ企画力や制作力も相互にいかし、質の高い広告商品を提供していく。
朝日新聞社はサムライトの発行済み全株式を、創業者の柴田泰成取締役会長らから、4月下旬に取得。社名はサムライトのままで、柴田氏や代表取締役の池戸聡氏は引き続き経営に当たる。朝日新聞社からは取締役1人を派遣する予定だ。
朝日新聞社の渡辺雅隆代表取締役社長は「オウンドメディアは新事業領域として重要と考えてきました。両社の経営資源を活用してより良い広告を提供することで社会に役だっていきたいと思っています」とのコメントを発表した。
サムライトの池戸聡代表取締役は「サムライトは2年間で約100社のオウンドメディアの立ち上げ・運営支援を行ってきました。今後は我々が培った技術やノウハウを、朝日新聞社のもつ様々な広告商品に融合させることで、新たな価値の提供を目指します」と述べている。
同社創業者の柴田泰成取締役会長は「サムライトは創業以来、『新しい広告のカタチをつくる』というミッションを掲げて運営してきました。朝日新聞社グループに入ることで、その顧客基盤やブランド力、制作力を活用することが可能となり、よりミッションの実現に近づくと判断しました」と述べている。