安全保障関連法の廃止を求め、東京都中央区の男性が国を訴えた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(山浦善樹裁判長)は男性の上告を棄却する決定を出した。14日付。訴えが不適法だとして「門前払い」した一、二審判決が確定した。
安保関連法の違憲性や廃止を訴える訴訟は各地で起きているが、判決が最高裁で確定したのが明らかになったのは初めて。
男性は、弁護士を立てない本人訴訟で、昨年9月に提訴。一審・東京地裁は、行政事件訴訟法に基づく訴えが不適法だとして、実質審理をせずに却下。二審・東京高裁も原告の控訴を棄却した。
安保関連法をめぐっては、弁護士や市民らでつくる「安保法制違憲訴訟の会」も、今月中に提訴する予定。法律が違憲かどうかについて、最高裁は1952年に「具体的な事件を離れ、抽象的に合憲性を審査する権限はない」とする判断を示している。同会は「憲法が保障する『平和的生存権』が侵害された」として、国に損害賠償を求めるという。