韓国総選挙(定数300)で第2党に転落した与党セヌリ党は14日夜、同党を離党して無所属で当選した人の復党を認めることを決めた。セヌリ党の獲得議席は過半数を下回る122で、第1党になった最大野党「共に民主党」との差は1議席。すでに複数が復党を表明しており、第1党への復帰が確実になった。
韓国与党が過半数割れ、第2党に転落か 朴政権に打撃
セヌリ党は朴槿恵(パククネ)大統領に近い「親朴系」が公認選びを主導し、「非朴系」の劉承旼(ユスンミン)・前院内代表らを公認しなかった。公認を得られなかった現職らは離党して無所属で立候補し、7人が当選。劉氏は14日、「党がとても大変で、どうするべきか私も一緒に考える」などと復党する考えを示した。セヌリ党の元裕哲(ウォンユチョル)院内代表は15日、「親朴系、非朴系もなく、国民生活のためのセヌリ党にならなければならない」と述べた。
セヌリ党が非朴系の復党を認めるのは、過半数割れで国会運営がより難しくなったためだ。7人全員が復党しても過半数には届かないものの、第1党には議長や委員長など国会の重要ポストが優先的に割り振られる。野党に渡れば主導権を完全に奪われかねない。
こうした中、注目が集まっているのは38議席を獲得した野党第2党の「国民の党」だ。セヌリ党の議席を合わせれば半数を超えるため、キャスティングボートを握る形になった。安哲秀(アンチョルス)常任共同代表は15日、「私たちは問題の解決を主導する国会運営の中心となる必要がある」と述べ、主導権を握る考えを示した。
ただ、安氏は来年12月の次期大統領選への立候補が有力視されており、どこまでセヌリ党に協力するかは不透明だ。(ソウル=東岡徹)