アルゼンチン政府は19日、2001年の財政破綻(はたん)から約15年ぶりにドル建ての国債を売り出し、国際金融市場への復帰を果たした。米メディアが報じた。応募額は発行予定額の4倍超で、新興国市場で過去最大規模の債券発行という。
19日に165億ドル(約1・8兆円)の国債を売り出した。当初は150億ドル(1・6兆円)の発行を予定したが、700億ドル(7・6兆円)の応募があり、販売額を増やした。利回りは10年物国債で年7・5%と、他の南米諸国と比べると高めだ。世界的な低金利下で利回りが高いことから、応募が増えたとみられる。調達したお金は過去の借金返済に充てる。
財政破綻したアルゼンチンは、多くの投資家と債務減額で合意したが、一部の米投資ファンドと返済額を巡って争いがあり、新たな国債発行の障害になっていた。昨年12月発足のマクリ新政権が規制改革やファンドとの交渉に着手。米裁判所も先週、返済のハードルを取り除く判断をし、国債発行への道が開けた。米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは15日、アルゼンチン政府の格付けを「B3」に1段階引き上げた。(ワシントン=五十嵐大介)