三菱自動車が軽自動車4車種の燃費試験データを不正に操作していた問題で、国土交通省は国による燃費試験の方法を見直す。石井啓一国土交通相が22日の閣議後の記者会見で明らかにした。同省はこの日も同社技術センター(愛知県岡崎市)に立ち入り検査し、不正の全容把握を目指す。
同省によると、車を販売する前に国が性能などを確認する従来の「型式認証制度」では、燃費試験に使うデータをメーカーからの自主申告に頼っていた。三菱自は燃費を実際よりもよく見せるためにこのデータを意図的に処理して提出し、国の試験で高い評価を得ていた。
同省は、データをチェックする仕組みが不十分だと判断し、さらなる確認方法を検討する。具体的には、メーカーがデータを算出する際に実施するデータ測定試験の実績値の提出を求めたり、データ測定試験の一部に国の検査員が立ち会ったりすることが考えられるという。
石井氏は、車両欠陥を隠したりリコール(回収・無償修理)が大幅に遅れたりした三菱自の過去の不正行為にも言及し、「同社のコンプライアンスに対する基本的な姿勢に疑問を持たざるを得ない」と批判。購入者に対して買い取りも含め、誠実に対応するよう求めた。