英国の金融監督当局の健全性監督機構(PRA)は9日、過去の取引に関する当局への情報提供が不十分だったとして、三菱東京UFJ銀行と三菱UFJ証券ホールディングスの英国子会社に計2677万5千ポンド(約37億円)の罰金を科したと発表した。
三菱東京UFJ銀は、米国が経済制裁するイランへの送金規制に違反した行為をめぐり、当局向けの報告書作成を委託したコンサルティング会社に不利な情報を載せないよう圧力をかけたとして、2014年に米当局に和解金を支払った。PRAは「米当局の発表まで知らされなかった」として、同行などの情報提供のあり方を問題視した。罰金額は、三菱東京UFJ銀が1785万ポンド、三菱UFJ証券の子会社が892万5千ポンド。
三菱UFJフィナンシャル・グループと三菱東京UFJ銀行は9日、英当局への罰金の支払いに合意したと明らかにした上で、「関係者の皆さまに、多大なご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」とのコメントを発表した。各国当局への報告が遅れることがないよう、社内規定の見直しをしたという。(ロンドン=寺西和男)