日本赤十字社と共同募金会は、熊本地震の被災者に配る「義援金」を、大分県にも配分することを25日までに決めた。これまで配分先を、最も被害が大きい熊本県だけとしてきたが、大分県内からの強い要望を受けて異例の対応を決めた。
義援金、大分に届かない? 意外と複雑、使い道に混乱も
日本赤十字社によると、今回の大分県への配分は「極めて例外的な対応」だという。
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義援金は、被災地を支援する「災害救助法」の適用を受けたかどうかを目安に配る地域を決めている。熊本地震では、熊本県は同法の適用を受けたものの、大分県は適用を受けていない。
同法適用に至らなかった被災地への義援金は、過去には東日本大震災で5道県に配分した事例しか見あたらないという。
例外的な対応に踏み切った理由を、日本赤十字社は「大分県内から義援金を集めたいという非常に強いニーズがあり、調整をした結果」と説明する。
ただ、新たな課題も出ている。
日本赤十字社も、共同募金会も熊本県に渡すと説明をして義援金を募ってきた。このため、すでに集まった義援金を大分県に配分していいのか、議論があるという。
日本赤十字社は「過去の、どの時点からの義援金を大分に配分するか、線引きを検討している」。共同募金会も「大分への配分が決まったばかりで、状況を整理しているところ」としている。
大分県内では、独自に義援金を集める動きが広がっている。
日本赤十字社、共同募金会ともに大分県内の組織で専用口座を設けた。こちらの口座に集まった義援金は、大分の被災者に配分される。
また、大分県が22日から独自に義援金の募集を始めたほか、大分市も義援金を募っている。
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