ハラルにも対応したソースの試作品=広島市西区商工センター7丁目
豚肉や酒を使わず、イスラム教徒も口にできるソースを生産しようと、オタフクソース(広島市西区)は25日、マレーシアに新会社を設立したと発表した。イスラム教の戒律に即した「ハラル」の食事に対応し、東南アジアや中東での展開に加え、東京五輪開催までに国内での流通も目指す。
新しい会社は、マレーシアで事業を手がけ、すしレストランを100店舗以上展開する「テクスケムリソーシズ」との合弁会社で、名称は「オタフクソースマレーシア」。首都クアラルンプールそばのセランゴール州に工場を建設した。
ソースの試作は昨年4月、現地での原材料探しから開始。豚肉エキスの代わりに、魚介類のうまみを生かしあっさりしながらも、甘みをほどよく残すなどの工夫を凝らしている。
今後は、原材料や製造設備などを確認し、ハラルに対応しているかどうかを判断する機関から認証を得て販売する。当面の売り上げ目標は、レストランなどの事業者を対象に、2017年度3千万円、18年度5千万円としている。
新会社の尼田和孝社長は「これまでソースを味わえなかったムスリムの方々にも、日本の味を楽しんでもらいたい」と話していた。(松崎敏朗)