空港内で報道関係者に囲まれ、コメントするカン・チョル駐マレーシア北朝鮮大使=クアラルンプール国際空港、シャイフル・レドズアン撮影
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件で、マレーシア政府から国外退去を命じられた北朝鮮のカン・チョル駐マレーシア大使が6日、民間機でマレーシアを出国した。北京経由で平壌に帰国するとみられる。一方、北朝鮮外務省は、マレーシアに帰国している同国の駐北朝鮮大使について国外退去処分にすると発表した。朝鮮中央通信が6日夜、伝えた。
特集:金正男氏殺害
強硬な態度を崩さない北朝鮮に対し、マレーシアのナジブ政権はさらなる対抗措置を検討している。友好国だった両国の関係は、大使の国外退去の応酬でさらに緊張する可能性がある。
カン大使は出国の期限とされた6日午後6時(日本時間午後7時)の約1時間前にクアラルンプール国際空港に到着した。報道陣に対し、警察の捜査を批判したことについて「国の立場を代弁しただけだ」と述べ、「40年以上続く両国関係を害する極端な措置に深刻な懸念を表明する」などと主張した。マレーシア政府が求める謝罪の言葉はなかった。
事件の重要参考人とされる北朝鮮大使館2等書記官や、警察が逮捕状をとった北朝鮮の国営航空会社、高麗航空の職員は大使館内にかくまわれているとみられるが、北朝鮮側は捜査に協力する姿勢を見せない。
このため、マレーシア国内には…