高級ホテル「マンダリンオリエンタル東京」のロビーに展示されている北大路魯山人の「染付小禽図花入」=鬼室黎撮影
日本食の食材店や道具店が多い日本橋周辺(東京都中央区)で、共同企画「魯山人の食卓」が開かれている。東京五輪・パラリンピックを前に、美術館や百貨店、ホテルなどが連携し、美食家や陶芸家として知られる北大路魯山人を通して「和食」への関心を高めようと企画された。
視覚芸術などを手がけるキュレーターの太田菜穂子さん(62)の呼びかけに、関係者らが応えて実現した。
日本橋三越本店では4日、個性的な食器を集めた「魯山人の世界展」(10日まで、入場無料)が始まった。三井記念美術館では6月26日まで、陶磁器や漆器を見せる特別展「北大路魯山人の美 和食の天才」(一般1300円)が開かれており、商業施設「コレド室町」でも、和菓子屋や昆布屋、だし屋など5カ所をめぐって魯山人の名言を集めるスタンプラリーを実施中だ。
31日には「日本橋の食文化を巡る、その美しき対話」と題したシンポジウムが日本橋三井ホールで予定され、京都の老舗料亭「菊乃井」の総料理長、村田吉弘さんらが登壇する。一連の催事にはそのほか、高級ホテルの「マンダリンオリエンタル東京」や懐石料理店「櫻川(さくらがわ)」なども関わり、盛り上げている。