アルゼンチンのガブリエラ・ミケティ副大統領=11日、山本和生撮影
来日中のアルゼンチンのガブリエラ・ミケティ副大統領は11日、朝日新聞の単独会見に応じた。ブラジルやベネズエラなど、ともに南米南部共同市場(メルコスル)を構成する周辺国の混乱について「汚職との闘いなど、南米の民主主義は新しい局面を迎えている」との認識を示した。その上で「私たちの政権が南米の民主主義を主導していく。透明性向上や行政手続きの簡素化を進める」と述べた。
南米2位の経済規模のアルゼンチンでは、昨年11月の大統領選で中道右派のマウリシオ・マクリ氏が初当選。反米左派の前政権から政権交代した。新政権は市場重視の姿勢で、2001年からの債務不履行問題を解決。15年ぶりにドル建て国債を発行して国際金融市場への復帰を果たした。
ミケティ氏は周辺国の混迷について、「ブラジルでは経済の減速に汚職の問題が重なった。ベネズエラでは、権威主義的な政権が表現の自由など人権を尊重せず、貧困も広がった」と説明した。特に汚職については「南米では、チリとウルグアイを除いて、各国とも同じ問題に直面している。透明化、効率化を図らねばならない」と強調した。