開花した標本木のエゾヤマザクラ=北海道稚内市の天北緑地
稚内地方気象台は13日、北海道稚内市内でサクラの開花を観測したと発表した。気象庁がサクラの開花を観測している地点では、2013年以来3年ぶりに日本で一番遅い開花だ。
いま旬の花
日本列島を北上してきた桜前線は4月22日に道内に上陸。稚内市では平年より1日早く、昨年より10日遅かった。同気象台の標本木は同市の天北緑地にあるエゾヤマザクラ。昨年まで稚内公園のエゾヤマザクラだったが、樹齢50年以上で樹勢が悪く変更になった。
一方、本土最東端の根室市も13日、旧根室測候所標本木のチシマザクラの開花を宣言した。昨年より7日遅いが、平年に比べ5日早い。日本気象協会によると、同市は5年連続で桜前線の終着点となった。
同市では10年に測候所が無人化され、翌年から市と観光協会が観測を引き継ぎ、独自に開花宣言をしている。元測候所員船山岩雄さんは「4月下旬に気温が下がったが、5月に入って盛り返したため、平年より早まったのでは」と話していた。(島田賢一郎、神村正史)