結婚披露宴の入場を待つ新郎の吉村正義さんと新婦の赤山聖子さん。震災の復興を願って作ったウェルカムボードが置かれていた=14日午後、熊本市中央区、筋野健太撮影
被災から1カ月となった14日、熊本市内では門出や再開といった明るい動きもみられた。
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一連の地震で被災し、一部の営業を休止していた熊本市中央区の「ホテル日航熊本」では、14日の結婚式場の再開とともに3組のカップルが結婚披露宴を開いた。そのうちの1組、熊本市の赤山聖子さん(33)と京都市の吉村正義さん(42)は、約220人の祝福を受けた。
結婚式は4月15日に京都市で挙げたものの、16日に本震が発生。初デートの場の熊本城やドライブを楽しんだ阿蘇も被災したため、披露宴を延期しようとしたが、友人らの勧めで予定通り開いた。
吉村さんは「地震と共にあるような結婚記念日になった。生活を築きつつ、熊本の復興を進めていきたい」。赤山さんは「これから先も突発的なことに出会うかもしれないが彼と共に乗り越えたい」と話した。
県民に親しまれる熊本市中央区の老舗デパート「鶴屋百貨店」も、食品売り場や化粧品売り場などがある本館を再開した。4月15日に営業停止して以来の再開で、待ちわびた買い物客が訪れた。
地震の影響で立ち入りできない熊本城を見に来る観光客も少しずつ増えている。城に隣接する観光施設「城彩苑」では、加藤清正ら武将に扮した「熊本城おもてなし武将隊」の演舞に観光客らが拍手を送った。地震前は城内でも活動していたが、5月3日に城彩苑だけで活動を再開した。事務局の担当者は「清正が多くの民と一緒に熊本城を築いた400年前のように、みんなで手をとりあって復興に向けて歩けるよう盛り上げたい」と話した。