東京電力が発注した通信設備の納入で談合を繰り返していたとして、公正取引委員会は17日までに、電機大手の富士通(東京都)と大井電気(横浜市)の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認め、計約4億円の課徴金納付命令を出す方針を固めた。公取委は、各社へ処分案の通知を始めている。
関係者によると、談合があったのは、発電所や変電所の異常を本社に伝えたり、落雷などの際に遠隔操作で送電ルートを変えたりする保安通信設備の納入。各社は遅くとも数年前から、過去の受注実績をふまえて売り上げが均等になるよう、事前に話し合って受注業者を決めていたとみられる。
談合にはNECも参加していたが、違反を事前に自主申告したため、課徴金の対象にはならないという。東電は、数社を指名して見積もりをとり、価格や技術内容をみる「見積もり合わせ」で受注業者を決めていた。
電力会社の保安通信設備をめぐっては今年2月、中部電力の発注分でも談合をしていた疑いが強まったとして、公取委が富士通、NEC、大井電気など4社を立ち入り検査している。(贄川俊)