会談に臨む(左から)沖縄県の翁長雄志知事、安倍晋三首相、菅義偉官房長官=23日午前10時42分、首相官邸、飯塚晋一撮影
沖縄県で米軍属の男が女性会社員の遺体を遺棄した疑いで逮捕された事件を受け、同県の翁長雄志(おながたけし)知事は23日、安倍晋三首相と首相官邸で会談した。翁長氏は、今週の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)にあわせて来日するオバマ米大統領に直接面会する機会を設けるよう首相に要請した。
事件後、翁長氏と首相が会談するのは初めてで、菅義偉官房長官も同席した。
会談後の翁長氏や菅氏の説明によると、翁長氏は会談で「激しい憤りとやるせなさを感じる」とし、オバマ氏に直接会う場を設けるよう求めた。また、「日米地位協定の見直しを含め、実効性のある抜本的な対策を講ずるよう強く求める」とし、「いまの地位協定のもとでは日本の独立は神話だと言われる」と抗議した。
さらに、「沖縄は戦後70年以上、過重な基地負担を強いられてきた」として、県内に米軍基地が集中していることが今回の事件の「大きな要因だ」と改善を求めた。
これに対し、首相は「今回の事件はあってはならないもので、身勝手で卑劣極まりない犯罪に非常に強い憤りを覚える」とし、事件後、米国側に綱紀粛正の徹底などを求めてきたことを説明。そのうえで、今後予定されているオバマ氏との会談でも「国民の気持ちを踏まえて厳正な対処を求めていきたい」と翁長氏に伝えた。翁長氏とオバマ氏の面会の機会を設けるかどうかは答えなかったという。