沖縄県議選(定数48)が27日告示され、午前11時50分までに13選挙区で71人が立候補を届け出た。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画に反対する翁長雄志知事を支える与党勢力が過半数を維持できるかが焦点。同県うるま市の女性の遺体を遺棄したとして死体遺棄容疑で米軍属が19日に逮捕され、基地問題も争点化している。一部を除き6月5日に投票、即日開票される。
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同議会では欠員1を除く47議席中、県政与党が過半数の24議席を占め、安倍政権と対立する知事を支えてきた。就任1年半の知事にとって「中間評価」の場とも言える。
政党別の候補者は、自民19、社民6、共産7、公明4、おおさか維新3、地域政党の沖縄社会大衆3、民進1、無所属・諸派28。朝日新聞の事前のアンケートによると、与野党別では、与党36人、野党22人、中立13人。辺野古への移設計画には、反対44、容認13、推進2だった(その他・無回答が12)。
選挙人名簿登録者数は5月26日現在で111万6616人。
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候補者たちは朝から街頭に立った。元米海兵隊員の軍属が逮捕された事件への反発から「在沖海兵隊の撤退」を公約に掲げる候補も現れ、過重な基地負担の解決も争点になった。
被害女性が住んでいたうるま市では、与党現職が約100人の支持者らとともに黙禱(もくとう)。県議会が米海兵隊の撤退を求める抗議決議をしたことに触れ「国の政治によって押しつけられている基地あるがゆえの事件。生命を奪う政治にノーと示す選挙に」と訴えた。
軍属が働いていたとされる米軍嘉手納基地を抱える嘉手納町では県政野党の自民現職が第一声。「自民党は政府に対して堂々と抗議した。日米地位協定も改定させないといけない。県民の命を守るために地域の声を伝える」と訴えた。(矢島大輔、奥村智司)