しつけで男児置き去り 国内外の反応
「しつけ」か「虐待」か――。北海道の山中で置き去りにされた小学2年の田野岡大和(やまと)君(7)が6日ぶりに保護されたニュースは、国内外に波紋を広げた。どこまでがしつけなのか?
「行きすぎだった」。3日に大和君が発見された後、会見した父親(44)は繰り返した。「反省しています。息子のことを思って対応したんですけれども……」
大和君が行方不明になったのは5月28日。両親の説明によると、大和君が公園で小石を人や車に投げつけるなどしたため、「しつけのため」として帰り道の山中で車から降ろした。数分後に現場に戻ったが、姿が見えなかったという。石川県内でも5月、小2男児が宿題をしなかったとして、母親に金沢市の山道に置き去りにされて行方不明になり、3時間後に保護されていたことが発覚した。
警察は、いずれのケースも心理的虐待にあたる疑いがあるとして児童相談所に通告した。厚生労働省によると、児童虐待への社会的関心の高まりもあり、2014年度に児相が対応した心理的虐待は3万8775件で06年度の6倍に増えた。
「置き去り」はしつけの範囲といえるのか。議論は熱を帯びる。
教育評論家の尾木直樹・法政大学教授はブログに、「こんな状況に置いた親は厳しく批判されるべきです」「子どもは親の所有物じゃない」などとつづった。
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