試合が中止となり、室内練習場で汗を流す東海大市原望洋の選手たち=21日午前9時50分、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場、井手さゆり撮影
第89回選抜高校野球大会(日本高校野球連盟、毎日新聞社主催、朝日新聞社後援、阪神甲子園球場特別協力)は21日、予定されていた第3日の1回戦3試合が雨のため中止となり、22日に順延となった。日程は1日ずつずれ、決勝は31日になる。登場予定だった6校の選手は阪神甲子園球場の室内練習場で調整し、再び初戦に備えた。
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創志学園は福岡大大濠の好右腕・三浦対策で、野手は打撃練習に力が入った。「低めの変化球に手を出さないように」と主将の山本。その山本の鼻の下にはばんそうこうが二つ。前日、外野の守備練習でフェンスに激突して3、4センチずつ切ったという。右ひざと首も痛めたため、「1日空いたのは良かった」。
福岡大大濠の三浦は約20球を投げ、フォームを確認した。「相手の足を使った攻撃を警戒したい」。前日はチームメートとてるてる坊主を作って宿舎の外につるしたが、それでも雨が降った。優勝した昨秋の九州大会決勝も1日順延しており、「大濠には雨男でもいるのかな」と笑った。
滋賀学園の捕手、後藤は雨天中止を歓迎した。「朝起きたときに体が重い感じがしたので」。前日は遊撃手の小浜と一緒に大浴場の風呂にゆっくりつかって疲れを抜こうとしたが、「小浜も体が重く感じるって言っていました。だから、今日はシャワーだけにします」。一方、東海大市原望洋のエース金久保は「できればやりたかったです」。投球練習の球数など、この日に合わせた調整をしてきただけに、少し残念そう。ただ、「切り替えるだけ。気持ちとコンディションを保ちたい」。室内練習場で30~40球を投げ込んだ。
札幌第一は1時間半の練習時間の大半を打撃にあてた。室内練習場で2カ所に分かれて打ち込んだ。9番打者の西村は、雨天順延に「気持ちはきれていないし、大丈夫」と言い、「相手は足を使って攻めてくるけど、つなぐイメージを持って打ち勝ちたい」。
健大高崎の選手たちは独自の準備運動「健大ダンス」で汗を流した。体を回転させたり、横にステップしたり。柔軟性を高めるための体操だ。持ち味は機動力。主将の湯浅は、「相手は力のあるチーム。マークされても、走れるようにしたい」と語った。