人工授精を試みたメスのミナミイワトビペンギンとひな=11日午前、大阪市港区、加藤諒撮影
3羽のひなが注目を集めている。海遊館(大阪市港区)で今月上旬に生まれたミナミイワトビペンギン。5年前から取り組む人工授精によって孵化(ふか)した可能性があるという。そうであれば、世界初の快挙。DNA型鑑定の結果は、今月末にも判明する。
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展示スペース前に、修学旅行生や親子連れなど、20人ほどの人だかりができていた。10日午前。母ペンギンの足の間から、首を左右に振りながら灰色のひながちょこんと顔を出す。
「かわいい~!」。一斉に声が上がった。
■5年前から挑戦
日本動物園水族館協会(JAZA)によると、協会に加盟する国内の動物園・水族館で飼育しているミナミイワトビペンギンは111羽(2014年12月末現在)。海遊館は1990年から飼育を始めた。今はひな3羽に加え、成鳥はオス13羽とメス7羽の計20羽。ひなは2008~10年に交尾で計5羽生まれたが、それ以降は誕生していなかった。
そこで個体数を維持する目的などから、保全繁殖が専門の神戸大大学院の楠比呂志(くすのきひろし)准教授とタッグを組み、11年4月から人工授精に取り組んできた。