ドイツ南部ミュンヘン近郊のダッハウで19日、ナチスの強制収容所跡を訪れたペンス米副大統領(左)ら。門には「働けば自由になる」という悪名高い言葉が記されている=AP
米大統領誕生から1カ月で「トランプ外交」が見えてきた。外交儀礼を無視したトランプ大統領の「予測不可能」な発言で相手国を牽制(けんせい)し、ペンス副大統領やマティス国防長官ら閣僚が足を運んで譲歩を得ながら沈静化に努める「ツートラック」外交が常態化しつつある。大統領の「鶴の一声」で外交関係に激震が走る例も少なくない。
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「安心をお届けする。米国はNATO(北大西洋条約機構)を強力に支持する」。ドイツのミュンヘン安全保障会議に足を運んだペンス氏が18日の講演の冒頭でこう語ると、会場から拍手が湧いた。さらに「米国はロシアに説明責任を求め続ける」と付け加えた。
欧州各国の首脳や国防相が集まった安保会議。議長を務めるイッシンガー元駐米ドイツ大使はオープニングで「我々の誰もが、この数週間抱いてきた疑問に米国が答えてくれることを期待している。トランプ政権で米国は一体何をしようとしているのか」と語った。
トランプ政権の動向に注目が集まるなか、ペンス氏は初の外遊先に欧州を選んだ。
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