北朝鮮のミサイルの破片の可能性がある漂着物の裏側。配線のようなものが付いている=鳥取県湯梨浜町、県提供
鳥取県は17日、同県湯梨浜町の海岸で、北朝鮮が発射した弾道ミサイルの破片の可能性がある不審な漂着物が見つかったと発表した。韓国政府が2月に写真で公開した北朝鮮の弾道ミサイルの破片とみられる残骸に似ているという。防衛省は現地に調査チームを派遣し、分析にあたる方針。
県によると、16日午後2時ごろ、同町園の海岸で見回りをしていた県の出先機関の職員が円筒を半分に割ったような金属製の漂着物を見つけた。長さ約1・8メートル、幅約1・2メートル。表面に青色で「1」「2」と数字が書かれていたが、ほかに文字はないという。
連絡を受けた県警が調べた結果、放射線の放出や有毒な化学物質の付着などはなく、危険性もないとわかった。倉吉署に運んで保管している。県は17日、こうした場合の自治体との窓口となっている消防庁国民保護室へ報告した。
県によると、北朝鮮のミサイルの破片の可能性がある漂着物が見つかったのは県内では初めて。県は17日、緊急の情報連絡会議を開き、国に連絡を取り対応していくことを確認した。平井伸治知事は報道陣に「県は断定できる根拠も分析能力もないが、韓国が回収した飛翔(ひしょう)体に似ており、北朝鮮の飛翔体の可能性はある」と述べた。
中谷元・防衛相は、漂着物が北朝鮮のミサイルの破片である可能性について「否定できない」と指摘。現地で調査チームが分析したうえで、さらに調査が必要な場合は引き取る考えも示した。(柳川迅)
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菅義偉官房長官は17日の記者会見で、鳥取県の海岸で見つかった漂着物について「現段階でミサイルの破片だと確たることを言うのは困難だとの報告を受けている。鳥取県と連絡をとりながら、関係省庁が連携して情報の収集、分析を行っている」と語った。