韓国国防省は7日、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(THAAD=サード)の一部装備が韓国に搬入されたことを明らかにした。米韓は当初、年内に完了する計画だったが、北朝鮮が相次いで弾道ミサイルを発射。韓国の次期大統領選の野党系候補も中国の反発を考慮し、配備に慎重姿勢を示していることから、配備計画の前倒しを進めている。
韓国国防省によると、THAADの発射台などが6日に輸送機で運び込まれた。THAADの配備先は慶尚北道星州(キョンサンプクトソンジュ)郡にある韓国ロッテグループ系列のゴルフ場で、韓国政府とロッテ側は2月、ゴルフ場の敷地と国有地を交換する契約を結んでいる。今後は1~2カ月かけて用地の造成作業なども進め、早期配備を目指していく。
THAADは6基の発射台と48発のミサイルなどで構成され、北朝鮮の短距離、中距離弾道ミサイルを迎撃する役割を担う。
一方、中国は高性能レーダーの範囲が自国にも及ぶとして反発している。配備決定後、韓国製品に対する規制が強化されるなど「報復」とみられる動きが出ており、中韓関係は悪化している。(ソウル=東岡徹)